自治医科大学は学費無料? 修学資金と卒業後の条件【2027年度入試対応】

※2026年11月1日確認。自治医科大学医学部の公式案内と2027年度入学者募集要項をもとにしています。看護学部は別の制度です。
医師になりたいけれど、医学部の学費は払えそうにない。そんな人に知ってほしい大学の一つが、自治医科大学です。
以前は「給料は無いが無料で進学可能な大学」として紹介しました。学費を入学前に用意しなくてよいのは大きな支えですが、最初から無条件で免除される仕組みではありません。今回は、そのお金の流れと卒業後の条件を詳しく見ていきます。
学費は、借りたうえで返還免除を目指す仕組み
自治医科大学医学部では、入学者全員が大学と修学資金の貸与契約を結びます。学生納付金に相当する額と入学時学業準備費が貸与されるため、入学時に入学金や授業料などを用意する必要がありません。
大学の案内に載っている6年間の内訳は、次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 100万円 |
| 授業料 | 1,080万円 |
| 実験実習費 | 300万円 |
| 施設設備費 | 780万円 |
| 学生納付金の小計 | 2,260万円 |
| 入学時学業準備費 | 40万円 |
| 修学資金の合計 | 2,300万円 |
入学時学業準備費は、教科書などを買うための貸与で、入学後に振り込まれます。防衛大学校などの学生手当とは違い、給料ではありません。
返さなくてよくなる条件は「地元で9年働く」だけではない
卒業後は、出願した都道府県の知事の意見を聴いて大学が指定する公立病院などで、医師として勤務します。返還免除の基準となる勤務期間は、貸与を受けた期間の1.5倍。6年間貸与を受けた場合は9年間です。その期間のうち半分は、知事が指定するへき地などの指定公立病院等での勤務が条件とされています。
旧記事では「9年間従事するだけなのでハードルは高くない」と書きましたが、この説明は軽すぎました。自分の好きな病院で9年働けばよいという意味ではなく、勤務先や研修の進め方には条件があります。
修学資金の流れ
入学時:貸与契約を結ぶ
↓
在学中:学費等に相当する修学資金の貸与を受ける
↓
卒業後:指定された医療機関で所定の勤務をする
↓
条件を満たすと返還免除。満たさない場合は返還が必要になる。
大学の案内では、返還免除の条件を満たさなかった場合、貸与金に所定の利率による額を加えて一括返還するとされています。進路変更のときに大きな負担になり得るので、契約内容や猶予・免除の扱いは、入学前に大学と出願先の都道府県へ確認してください。
生活費は別に考えておこう
医学部は原則として全寮制で、学生には個室が用意されます。ただし、学費相当額の貸与があることと、寮生活にかかる費用がすべて無料であることは別です。
寮費、食費、光熱費、帰省費などは、入学年度の案内に沿って見積もってください。旧記事の「寮費月8,500円」という金額は、今回、2027年度の費用として確認できなかったため引き継いでいません。
生活費のための奨学資金などを利用する場合も、修学資金と同じ条件で返還免除されると思い込まないようにしましょう。借りる制度ごとに、返済条件を聞いておく必要があります。
2027年度の募集は、古い「各県2人」の説明を使わない
自治医科大学の選抜は都道府県と関係していますが、旧記事の「栃木県以外は各県2名まで」という説明は現在の募集に合いません。一般選抜のほか、一部の県では学校推薦型選抜や総合型選抜もあります。
2027年度の公式募集ページには、募集人員100名と、23名の臨時定員増を認可申請中である旨が掲載されています。123名で確定しているとは書けないため、出願前に大学の更新情報を確認してください。選抜区分を合わせた県ごとの人数や、一般選抜の選び方も募集要項で確認できます。
また、出願する県を倍率だけで自由に選べるわけではありません。国内の高校を卒業した人などでは、出身高校の所在地や、継続居住の条件を満たす本人・父母等の住所地など、選択できる範囲が決められています。出願資格によって扱いが異なるので、自分に当てはまる項目を読んでください。複数の都道府県への出願はできません。
⇒ 自治医科大学:2027年度学生募集要項・最新のお知らせ
⇒ 2027年度入学者募集要項(出願地の選択など)
人口や大学進学者数だけで、入りやすさは分からない
以前の記事には、各県の大学進学者の1%が医学部を受けると仮定して計算した表を載せました。あれは自治医科大学の実際の志願者数や受験者数から出した倍率ではありません。受験先を判断する材料としては不十分なので、今回の改訂では外しています。
難易度を調べるなら、大学が出している入試データと過去問から始めましょう。人数だけでなく、学力試験や面接で何が求められるかも確認したいところです。
出願する地域で、どのような医療に携わりたいのか。卒業後の勤務や研修は、自分が目指す医師像に合うのか。ここまで調べて納得できれば、自治医科大学は学費の問題を越えて医師を目指すための有力な選択肢になると思います。






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